食談室リノベーション工事
・築35年
・キッチン・リビング・ダイニングの改装工事
・既存キッチン空間を移設し大規模リノベーション
・床、壁、天井、照明
・設備取り換え
◆施工前の住まいの問題点
ご両親の思いを込めて建てた平屋の日本家屋。庭を眺めるのが大好きなお父様は、松の木や杉を大切にしてきました。ご両親が他界し移り住んだお住まいです。子供達が成長し孫が誕生し、家族が集まると総勢10名に。座る場所が足りず、食事は、いくつもテーブルを設置し家族がバラバラに座ることに違和感を感じていました。
また、築35年の住まいでしたが美しい障子や塗壁もお気に入り。建具も現在に通じるデザイン、その美しさを残しつつお庭と一体化された食談室(LDK)を設計しました。
Before

After

まずはキッチンの位置を考えます。
南面に面した庭が普段キッチンに立っている時も、いつでもどこからでも鑑賞できるようにしたいという事がお施主様の曲げられない大きな条件でした。
そのため、キッチンを以前のリビングに移し、腰窓を掃き出し窓に変更することでキッチンから南面に広がる庭が眺められるようにしました。そうすることで以前キッチンがあった空間が広く確保でき、10名が座れる大きなダイニングテーブルをゆったりと置くことが出来ました。



Beforeの様子
キッチン、ダイニング、リビングの様子。
キッチンは、セミオープンの2列型キッチン。
庭に面した大きな窓はあるけどお庭全体を見回すことができませんでした。
☑設計のポイント!
断熱・大開口を意識した窓選び




35年前の頃は、ペアガラスがまだ主流でない時代。以前のダイニングにあった両開きの窓は寒さ対策の為、4枚の2重サッシとなっており窓ガラスの掃除が苦痛のガラス窓でした。ここ30年間に建築業界は窓周りを研究開発し断熱、遮断等エコに配慮した商品が多く開発されました。4重ガラス木製窓が誕生し0.51クワトロは窓に求められた性能を最大限に追求し、その高い断熱効果性能と耐久性、防火性能を実現しました。そしてお庭がお部屋から見渡せるように大開口を実現しました。
キッチンのレイアウト




キッチンはL型+アイランドキッチンとしました。シンクをアイランドに設置し、シンクに立ちながらお庭が見えるように設計。シンクとコンロの位置が今までにないレイアウトとなりました。腰窓を掃き出しに変えた事でお庭から明かりも確保でき、お庭と一体化した明るいキッチン空間となりました。
床材選び



無垢フローリングアッシュ材15mmを採用しました。一部にスプーンカットをデザイン。天然素材の良さは人工的に決して再現することが出来ない良さがあります。無垢材は空気を多く含んでいるので建材に比べると熱伝導率が格段に低く床を素足で歩くとぬくもりを感じるのはそのためです。一部日本の伝統的な加工を施し光によって陰影が出来、空間を作る隠し味となりました。



【キッチンデータ】
キッチンの形:L型+アイランドキッチン
キッチンメーカー:ユーロモビル×キッチンハウス(KITCHEN HOUSE)
キッチンカウンター:デクトン サイルストーン
キッチン機器:フード(アリアフィーナ)コンロ、オーブン、食器洗い機(Miele)